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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter48 『風と水』 48-10


(夏樹は、紺色の髪に滴る水滴を払いながら、
何事もなかったかの様に、いつもの様に微笑んだ。)

「・・夏樹様。

出来るだけ、お側に居ようと思いましたが・・。」

(菖蒲は、何だか脱力している様に見えた。)

「ん?」

「身が持ちそうにありません・・。」

(菖蒲の、やっと安堵した様な顔を見て、夏樹は笑った。)

「ははっ、大丈夫か? 何も、ここまでついて来なくても良かったんだよ。」

「でも助かった。

菖蒲が、気づいてくれたおかげで。」

「あの不思議な力は、やっかいだな。」

(夏樹は、何者かの気配が消えた辺りの。 空中を眺めた。)

***

ヒュオッ

キンッ・・

「・・っ、きゃっ・・。」

「あ〜ぁ、何してくれるのよ。 失礼な子ね・・。」

(クロエは、異空間を抜け。 本物の風見市内へ、戻って来た。)



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