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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter48 『風と水』 48-3


(菖蒲は、溺れる事を覚悟した。)

ザァァァァーッ・・!

「はっ!?」

『あっ?』

(しかし、驚く菖蒲の前で。 覆い被さる程近づいた、巨大な波は。
夏樹の巻き起こしたバリアに届く前に。
突然、方向転換をし。 まっすぐに続く、銀杏並木の向こう側へ。
川の流れの様な音を立てながら、巨大な水しぶきを上げ、流れて散った。)

「あ・・。」

(予想しなかった水の動きに、夏樹も驚いた。)

「白・・!」

(夏樹と菖蒲の立つ。 少し前方の中空に。 まるで、扉の外枠の形に。
淡い黄色の光が、
現れていた。 扉から、白がゆっくりと。
夏樹と菖蒲の立つ異空間の上に降り立つ。)

トッ・・

「・・夏っちゃ〜ん・・。 今のが〜・・、

魔法使い〜・・かい〜・・?」

「くすくすくすっ・・。

ほんとに〜・・居たん・・だぁ・・。 でもぉ〜・・。

ふわ〜ぁ・・。 ・・僕にも出来るけど〜・・ね〜・・。」



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