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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter48 『風と水』 48-4


(白は、そう言いながら。 ゆっくりと笑った。)

(上下真っ白な服に身を包む白の、小さな銀の装飾が。 砕けた波しぶきに光っていた。)

(長身の手足は、まるで力が抜けたように、だらりとしていたが。
ふわふわと柔らかな白髪が。 覆う白のまどろむ瞳の奥には、どこか
強い煌めきがあった。)

「だ〜い・・じょうぶ〜・・? 菖蒲ちゃ〜ん・・。」

「くすくすっ。 今度は・・菖蒲ちゃんが〜・・巻き込まれたの〜・・?」

「不器用にも〜・・程があるね〜・・。」

(白は、今にも閉じそうな瞼の奥で、うとうとしながら。
何やらボロボロの菖蒲を見て微笑んだ。)

「・・っ、白さんっ!

あなたがもっと早く来ないからですよっ!///」

(菖蒲は怒って見せたが、白が来てくれた事に。 ほっとした。)

『夏樹様に、無理をさせないで済む。』

「白さん、何者かが、ここに居ます。」

(菖蒲は、白に向き直った。)

「ん〜・・? じゃぁ、取りあえず〜・・。 見える方・・からね〜・・。」

「夏っちゃんは〜・・、菖蒲ちゃんのおもり〜・・。」

(夏樹は、白が来た事にほっとしながら、白の言葉に微笑んだ。)

「OK.」



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