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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter48 『風と水』 48-5


「! 夏樹様っ。///」

***

(白は、二人から離れ。 上空に留まる闇に向かい、まどろむ視線を投げた。)

「・・その羽根〜・・、君の〜・・?」

「変な〜・・、気配が〜・・。 するね〜・・。」

「ズルは〜・・しちゃぁ・・、ダメだよ〜・・。」

(ゆっくりと、次第に闇に近づく、白の白い靴の足元から。
小さな水滴が。 ふわふわと、宙に浮かび始めた。)

ピチャンッ・・

(水滴は、まるで無重力に浮かぶ、小さな水の粒の様に。
やわらかに回転しながら。 白の周りに集まり始めた。)

(長い手足を取り囲み。 幾つかの粒が、次第に集まり、大きさを増して行く。)

ピチャンッ・・

(大きく成り始めた水滴は、白の手足を滑る様に流れ、真っ白な髪に。
小さな雫をいくつも残した。)

(まるで、今にも閉じそうな。 白の瞼の奥の瞳が、
強く光っていた。)

「・・すぐに〜・・、帰れるよ〜・・。 大丈夫〜・・。」

(白は、近づきながら、闇に話しかけた。)

「おかげさまで〜・・、今日は〜・・よく〜・・、眠れたんだ〜・・。」



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