HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter49 『解けない魔法』 49-14


「それは、人々を、闇の恐怖から救うことでもあります。」

「時の欠片がすべて集まる時。

それは、きっと、闇がこの世界から消える時でございましょう。」

「その日が来るまで、我々は、励まねばなりますまい。」

「魔法が・・解ける日が来るまで。」

(橘は、静かに微笑んだ。)

「ああ・・、そうだな。」

(聖は微笑み。 気を取り直して、ガラス張りの室内へ踵を返した。)

「魔法を解くには、手掛かりが少ない。

何しろ、粒樹の資料はすべて、あの頃の開発研究所と一緒に。

僕が壊してしまったから。」

「手掛かりは、この欠片と闇・・。

それから、夏っちゃんくらいかな?」

(聖は、七色に輝く、ダイヤモンドの様な小さな一欠片を鏡張りの室内にかざし。
輝きを金色の瞳に映すと。
いつもの明るい笑顔で微笑んだ。)

「くっくっ。

橘。 これは、僕には、解けない魔法かもしれないな。」

***







『解けない魔法』
Chapter49 End

Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ



『 Chapter50へ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ