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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter49 『解けない魔法』 49-3


(夏樹は、そう言って微笑んだ。)

「それは、よろしゅうございました。」

(橘は、丸眼鏡の奥で、優しく微笑んだ。)

「それより聖。

話したいことがあるんだ。」

(橘から、聖に視線を戻した夏樹に。
聖は、嬉しそうに笑った。)

「ははぁ・・。

なるほど。 もう、ホームシックかい?」

「は?」

(夏樹は、呆気にとられた。)

「そうだと思ったんだ。

白君を手伝って、欠片を僕に渡しに来るという。

口実を作りたかったんだね?」

「言ってくれれば、

僕から会いに行ったのに。」

(聖の笑顔に、夏樹は眉根を寄せた。)

「・・誰がホームシックになるか? できればしばらく会いたくないよ。」



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