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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter49 『解けない魔法』 49-5


「おいで。

中で聞こう。」

カチャッ

カチャカチャ カチャッ・・

キンッ

(聖が、金のアクセサリーの光る右手で扉に触れる。
扉の中で、幾つもの錠が開く音がした。)

キイッ

「どうぞ、夏樹様。」

(橘に促され、夏樹は、はためく真っ白なスーツの後ろから、
開かれた、銀の扉の中へ入った。)

***

「ぜ〜んぜん。 来ないわね。」

(佐織は、紫苑の机にもたれながら。 2階の教室の窓から、
校門の辺りを見つめた。)

「そんなにバイトが忙しいのかしら?

紫苑、何か聞いてないの?」

(紫苑は、教科書の後ろから、曖昧に返事した。)

「うう〜ん・・、少し遠い所にいるのかもしれないから・・。」

(紫苑の困った様な笑顔に、佐織は納得した。)



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