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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter49 『解けない魔法』 49-6


「ははぁ〜ん。 バイト料が良いところまで、遠出してるのね?

この辺は、そうでもないからね〜。」

「ふふふっ。」

(佐織の言葉に、紫苑は微笑んだ。)

***

「ひよこの事といい、この街では不思議なことが

起こるね。」

(聖は、気軽に、真っ白なソファーに腰掛けた。)

(全面鏡張りの、本部内の聖の部屋は、辺りの全てを反射し。
ソファーや机。 テーブルや照明。 全てが白で統一された広い室内は、
まるでその場所が、異空間の中である様な気さえ、夏樹にはしていた。)

「・・僕が創った空間の中に。

正常に入れた場合は、たしかに僕には分からないね。」

(橘が入れてくれた紅茶を受け取りながら。
聖は微笑んだ。)

「そんなものなのか?」

「ああ。」

「異質な能力者が侵入した場合は、自動的に、二度と戻れないくらい遠い

別空間に飛ばされるか。」



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