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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter49 『解けない魔法』 49-8


「初めから、異空間に居たのか・・。

それとも、闇と共に、現れたのか分からない。」

「菖蒲が初めに気付いて。

その後、倒れかけた闇に、

不思議な力を与えた。」

カチャッ・・

(聖は、銀の指輪の光る両手を組んだ。)

「どんな風に?」

「どんな風って・・。

羽根だよ。 もう少しで倒せそうだったのに、何かが闇に力を与えて。

立ち上がらせた。

闇には、新しく羽根が付いていて。 追いかけまわされた・・。」

(橘は、聖にお代りの紅茶を注ぎながら。
夏樹の健闘に感心した。)

「それは大変でございました。 菖蒲さんもご一緒だったのですか?」

「ああ。 リムジンの外に居たから、近づき過ぎたのかもしれないよ。」

(夏樹は肩をすくめた。)

「あははっ。 夏っちゃんに、波長が同調する子は、異空間に入り易いのかな?

もしかすると、その見えない誰かも。」



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