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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter50 『ランチタイム』 50-14


(廊下には、一人の女性が立って居て。)

(近づいて来た夏樹を見て、女性は頭を下げた。)

「・・、数馬の先生ですか?」

(自分にお辞儀し、顔を上げた女教師の優しげな笑顔を見て。
夏樹は、そうではないかと思った。)

「まぁ・・、ごめんなさい。

楽しいランチタイムをお邪魔してしまったわね。」

「柏木と申します。

あなたが、FOT VIPの雨宮さん?」

「・・はい。」

(柏木は、答える夏樹の白いシャツの胸元に留められた、
赤い羽根の小さなピンバッジを見つめた。)

「街が・・、被害にあっているそうね。

子供たちのこと。

守ってあげてくださいね。」

(夏樹の視線の先。 柏木のジャケットのポケットに、小さな、
ピンバッジが留められていた。
赤い片羽根と共に。 Secrecyの文字が刻まれている。)

(夏樹は、真剣な表情で、柏木を見つめた。)

「はい。 数馬のこと、よろしくお願いします。」



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