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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter50 『ランチタイム』 50-15


「ええ。

でも、数馬君。 お友達をつくるわけに、行かないでしょう?

転入して来てからずっと、どこか落ち着かない様子だったけれど。

あなたが来てくれて良かったわ。

とても楽しそう。」

「大変なお仕事ね。

でも、この街で、楽しい日々を過ごしてもらえたら、

先生は嬉しいわ。」

(柏木は、そう言って夏樹に微笑み。
もう一度、お辞儀をすると、廊下を後にした。)

カララッ

「夏っちゃ〜ん! たんぽぽが、夏っちゃんのべんとう

ぜんぶ食べたーっ!」

「早く来てーっ。」

「ちがうよっ、たんぽぽじゃないもん〜っ。」

(ガラス扉の向こうから呼ぶ声に、夏樹は振り向き微笑んだ。)

「・・友達か。 良かったな、数馬。」

トットッ

(なかなか来ない夏樹に、数馬は廊下に戻って来た。)



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