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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter50 『ランチタイム』 50-2


(蒲公英は、うれしそうに。 声を掛けた友だちに振り返った。)

「かずまくん? ううん。」

「レイ〜。 かずまくん見た?」

(智は、後ろから来たもう一人の友達に声をかけた。)

「ううん。」

「さっき、男の子たちが。 ジュース買いにいったから。

いっしょにいったのかも?」

「ちがうんじゃなぁい? かずまくん。

仲良くなってないみたいだったもん。」

(智が応え、もう一人の蒲公英の友達、怜が、横からのぞき込んだ。)

「たんぽぽちゃん、かずまくんと食べるの?」

「うん! でも〜・・、どこか行っちゃったの。」

(蒲公英は、お弁当を両手に持ったまま。 がっかりしている様だった。)

「!」

(蒲公英の様子を見た智は、とつぜん何かにひらめいた様子で、
小さな両手で、蒲公英の肩をポンポンッとたたいた。)

「たんぽぽちゃん!

きっと、かずまくん。 たんぽぽちゃんのこと、まってると思うっ!」



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