HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter51 『サプライズ』 51-2
夏樹くんからの連絡で、
今朝だって、わたしのことを置いて、すぐに飛び出して行ったんだから。」
「んん・・っ。 今、そのことを言う?」
(照れもしない静乃に、夏樹の方が気まずく照れた。)
「すみません。 邪魔して。」
「制服、似合っているわね。」
(静乃は、側に来た夏樹の。 紺色のネクタイを見た。
真新しいネクタイと、白いシャツには、
白い一枚羽根の絵柄に、ローマ字でKAZAMIと、風見ヶ丘高校の校章が刺繍されていた。)
「風見ヶ丘高校の、生徒って感じね。」
(静乃は、微笑んだ。)
「生徒でしょう? 先生。」
(夏樹は、わざと真面目な顔をしてみせた。)
「くすくすっ。 そうね、皆に紹介するわね。」
「・・いいよ。 別に、
ずっと、ここに居るわけじゃないんだから。」
「言うまでもないけど、
出来れば、関わらない方が良い。」
(二人は、光が射し込む。 窓の多い明るい教室の廊下を、並んで歩きながら。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』