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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter51 『サプライズ』 51-5


「雨宮夏樹くんよ。」

「お家の方のお仕事のご都合で、

風見市に引っ越して来られたの。」

「越したばかりで、分からないことも多いと思うから。

ふふっ。 わたしも来たばかりだから、皆

いろいろ教えてあげて。 仲良くしてあげてね。」

(そう言って、静乃が夏樹を紹介する間。)

(クラス中の誰もが、夏樹を見て、目を大きく見開き。
または、さっきまで騒いでいた声が出なくなり、口を開いたまま。
一瞬。 教室中が、時が止まったかの様に、動けなくなっていた。)

「!」

「!!」

「・・っ!!」

(女の子たちは、静乃の紹介を聞きながら、
教卓の前に現れた。 予想外の夏樹の姿に見惚れてしまった。)

(少しくせづいて流れる、深い紺色の髪が、
窓からの光に、艶やかに光り。)

(まるで、青白く。 透き通る程の白い肌は、見た事がない程どこか儚げで美しく。
紺色の髪の奥で、僅かに揺れる瞳は。
深い、紺色に煌めき。 吸い込まれそうな、夜空を思い起こさせた。)

「夏樹くん。 自己紹介してね。」



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