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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter52 『サボる』 52-1


キンコンカンコーン

「はーい、今日はここまでね。」

「次回は、3章の2に入るわね。

予習しておいてね。」

(チャイムと同時に、静乃は。 パタンと教科書を閉じた。)

カタタッ

「夏樹くん〜。 次、化学だから一緒に行こう〜。」

「案内してあげるっ。」

(前の席から、女の子たちが、何人か。待っていたかの様に、夏樹の席におしかけた。)

カタッ・・

「ごめん。 ちょっと・・。」

「お?」

(駆も去っていく夏樹の背中を見つめた。)

カタンッ

(夏樹は、女の子たちが来る前に。 隣の紫苑が、声をかける間もないうちに、
さっと席を立つと。 教室の後ろのドアから、外へ出て行ってしまった。)

(静乃は、教卓を片づけながら。 そんな様子に肩をすくめた。)

『あらあら。』

(再び空席になった、夏樹の席の前で、女の子たちはむくれた。)



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