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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter52 『サボる』 52-3


「はははっ。」

(楽しげに眺める佐織の横で、男子たちが声をかけた。)

「楽しそうだな、女子のみなさんは。 オレには分からんよ。 あんなのの

どこが良いのか? なぁ、涼。」

「あっはっはっ。」

(駆は笑い、側に居た涼は頷いた。)

「同感だな〜ぁ。」

「俺のがまだ、ましじゃねー?」

「静乃〜! 俺、席替え希望。」

「紫苑の隣。」

(涼と呼ばれたクラスメイトは、紫苑が美菜にくすぐられ、明るいベージュ色の。
段違いの長い髪が、さらさらと背中に揺れ。 鮮やかにピンクに色づく頬が微笑むのを
見つめた。)

「あら、もう?」

(静乃は、教科書を胸に抱き、教卓の前から微笑んだ。)

「オレも〜。」

「こおら。 呼び捨てするな、涼。」

「俊も、だだこねないの。」

(佐織は、涼をつねりながら。 横目で、二人を見てなだめた。)



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