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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter52 『サボる』 52-5


「・・雨宮くんと、一緒に暮せないくらい、何か訳ある仕事なのかしら?」

(佐織の言葉に、紫苑はドキッとした。)

「・・訳だなんて・・。///」

(明るいベージュ色の髪が流れる、赤いリボンの紫苑の胸元に。
風見ヶ丘高校の校章の他に、
もう一つ。 小さな赤い片羽根のピンバッジが
留められていた。)

「それとも・・。 家族不仲で、雨宮くんを放っておいて、バイトで稼がせてるのよ。」

「むむ〜う。 あの愛想のなさ。

きっと、愛情不足に違いないわ。」

「うん。 かもね〜。 何か気になるわ。」

「それに、ハーフみたいじゃなかった? ああ〜っ! いろいろ聞いてみたいっ。」

(隣に居た女の子が、美菜に笑いかけた。)

「聞けそうな、雰囲気じゃなかったじゃない。」

(女の子と美菜は、頷きあっていた。)

「くすくすっ。 美菜ったら。」

「わたしには優しそうな人に見えたけれど。」

(チイが席を立ち。 紫苑の側にやって来た。)

「そうでしょ! チイちゃん。」

(紫苑が微笑んだ。)



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