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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter52 『サボる』 52-6


「優しいのはチイの方よ。」

(佐織は微笑んだ。)

「で、どこに行ったのかしら? 雨宮くんは?」

「うちの学校けっこう広いから、案内してあげたいんだけど。」

(佐織は言いながら立ち上がった。)

カタタッ

(背の高い、佐織の背中に。 サラサラと流れる、ストレートの茶色の髪の向こうから。
話を聞いていた駆が、面白そうに笑った。)

「売店にでも行ったんじゃね〜か?」

「腹がへってると調子くるうからな。」

(女子たちは駆に振り返った。)

「駆と一緒にしないでっ!」

「おお?」

「こえぇー。」

(まだ側に居た、涼が駆に耳打ちした。)

「・・おい、アイドルとカッコいい奴は、俺たちとは違う生き物らしいなー。」

「あっはっはっ! だろ〜ぜ。」

(駆は、面白そうに。明るく日に焼けた頬で笑った。)



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