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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter52 『サボる』 52-9


「ねぇっ! 見て。 あれ。」

「誰? 2-Aの転入生だって?」

「うそっ!?///」

(夏樹を見つけた生徒たちは、物珍しげに夏樹を見つめ。
何か考えにふけっているらしい深い紺色の瞳の揺らめきや。 真っ白な肌の上に
深い紺色の髪が揺れ。)

(冷やりとした空気が、通り過ぎる夏樹から発せられるのを感じて。
あるいは距離を取り道をあけ。 振り返り二度見したが、夏樹は気に留めては
いなかった。)

『どこだ・・。 近くに居る。』

(次第に、強まる気配に。 意識を集中し、
ただ、夏樹の視線は。 廊下の突き当たり。 階下へと続く階段の上部から
染み出してくるような。 不穏な気配に向けられていた。)

サァァッ・・

(所々の僅かに開かれた窓から入り込む、風見ヶ丘の風が。
夏樹をその場所に、導いている様な気がしていた。)

『分かってる。 学校は、勉強しに来るためだけの場所じゃない。』

『千波ちゃんに、叱られそうだけれど。』

『僕達が校内に配置されているのは、

出来るだけ、目立たない様に。 自然に学生の身に起こった闇と戦うためだ。』

『とはいえ、あんまり戻らなかったら。

怪しまれるからな。』



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