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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter53 『ありがと。』 53-1


キンコンカンコーン・・

(校内に響くチャイムが、今日の授業が終わったことを知らせていた。)

コオッ

トッ・・

(広い屋上の上から、淡い黄色の光に包まれ、現れる人影がある。)

(上履きの靴が、現実の世界の地面を確かめる様に降り立った。)

「・・はぁ。」

「こんなにも闇化するなんて。」

チリッ

(夏樹の白い右手の中には、すでに幾つもの闇から取り出した。
時の欠片が握られていた。)

「・・数馬の方は、大丈夫か?」

「動いている様子は、なさそうだけどな。」

(闇から受け、今はただの雫となった水滴や。 埃を、真新しい制服の白いシャツから
片手で払いのけながら。 夏樹は腕時計を見た。)

「・・ああ!

もうこんな時間だ。」

「1時間のつもりだったのに。」

(夏樹は手間取ったことに少し苛立ちながら、紺色の髪についた。 埃を払った。)



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