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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter53 『ありがと。』 53-2


ピッ

(払いながら、腕時計で数馬の位置を確認する。)

『教室の中に居ない。 少し様子を見て来ようか。』

トッ

(夏樹が、そのまま一歩踏み出した時。)

(目の前に不思議な現象が現れた。)

ヒュオッ・・

キンッ

(小さな物音に顔を上げ、夏樹は目を開いた。)

(まるで、扉の外枠の形に。 淡い黄色の光が、何もない屋上の中空に。
光の筋を描く様に、現れた。)

ガチャッ

(光の扉の向こうから現れたのは、剛だった。)

「よお! 夏樹。」

「せいが出るな〜。」

「そのくらい、学業にも励めよ。」

(豪快な声が、夏樹を出迎えた。)

「剛。」

(夏樹は、思わずほっとして。 笑顔になった。)



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