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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter53 『ありがと。』 53-4


「弟思いの、いい姉ちゃんだなぁ。」

(剛は、眩しい様な白い歯を見せて笑った。)

「・・・。 そうだね。」

(夏樹は、苦笑した。)

「千波が、心配してたから、ちょっと寄ってみたんだぜ。」

「え?」

「昼飯食ってねーだろ。 ほれ、差し入れだ。」

ガチャンッ

(剛は、段ボールの間から、かなり大きめな。 カラフルな布に包まれた。
重箱を差し出した。)

『!』

『どうして、分かったのかな?』

「ごめん、ごめん、剛。 持ってきてもらって悪いけど。

さすがに今から、食べられないよ。」

「本部か屋敷に持って行って。 光さんとか、みんなで食べてくれ。」

(夏樹は両手を振って丁重に断った。)

「そっか〜? んじゃ、そうすっか。」

「今夜の晩飯は、千波が作りに行くって言ってたぜ。」

「楽しみにしてろよ。」



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