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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter54 『夕暮れの風見ヶ丘』 54-3


「なんだ、そうなのか〜?」

「冷え性なんて、女っぽいからな〜。」

(駆は、まったく悪びれず、面白そうに笑っていた。)

『・・こいつっ・・。』

(夏樹は、何か言ってやりたいと思ったが。

一緒にいると、調子がおかしくなり、駆のペースに持って行かれそうなのは
何年経った今になっても、変わらない様な気がしていた。)

『・・っ。

ダメだ。』

『無性に、懐かしくなって・・。 何か言ってしまいそうだっ・・。』

「僕は・・。 別に、冷え性じゃない。

生まれつき低体温なだけで・・、平気だから。」

(夏樹は、表情を保ちながら。
それだけ言うと、皆をその場に残し、さっさと廊下を後にした。)

「あっ、夏樹くん!」

(紫苑は、夏樹の後を追いかけた。)

パタパタパタッ

「はっはっ。 おもしれ〜やつ。」

「駆、あんたも、なかなか優しいとこあるじゃない?」



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