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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter54 『夕暮れの風見ヶ丘』 54-4


(佐織が、自分よりさらに背の高い駆を見上げながら。
微笑んだ。)

「なんだ。 今頃気づいたのか?

俺は、良い奴だぜ。」

パコッ

(佐織は、手にしていた竹刀の先で、駆を叩いた。)

「自分で言うなっ。」

(駆から視線を戻すと、佐織は夏樹と紫苑が居なくなった廊下の先へ、
急いで歩き出した。)

「チイ、私たちも行こ。」

「え? 佐織、今日部活じゃないの・・?」

(佐織はチイにニヤリと微笑んだ。)

「二人の様子を見るのよっ。

気になるじゃな〜い。」

「さ、佐織ったら・・。」

「行くわよっ。」

(佐織は、チイの手を引きながら、夏樹と紫苑を追いかけた。)

***

トットットッ



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