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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter54 『夕暮れの風見ヶ丘』 54-7
(小さなクマのマスコットのついた、茶色の皮鞄を後ろ手に軽やかに持ち替えながら。
嬉しそうに微笑んだ。)
「あのね。
佐織ちゃんと、チイちゃんは。 わたしの大の仲良しなの。」
「駆くんだって、優しいんだから。」
(紫苑は、夏樹が、隣を歩くことを許してくれていることにほっとしながら。
微笑んだ。)
「・・知ってる。」
(夏樹は、小さくつぶやいた。)
「え?」
「いや。」
(そう言った夏樹が、笑っていたので、紫苑は嬉しくなった。)
「良かった・・。」
「もしかしたら・・、夏樹くんに、嫌われたんじゃないかと思って・・。」
(紫苑は、戸惑いがちに、話しかけた。)
「え?」
(夏樹は、驚き、紫苑に振り向いた。)
「あんまり皆と、話さないみたいだったし・・。
わたしが、居るからかなって・・。」
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