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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter54 『夕暮れの風見ヶ丘』 54-8


(自分の態度が、何か紫苑を悩ませたらしいことに、夏樹は驚き戸惑った。)

「! 違うよ。」

「はぁ〜・・、ごめん。」

(夏樹は、頭を抱えた。)

「あんまり慣れないんだ。 何か聞かれたり、話し出すと。」

「FOTに触れない様に、嘘をつくのが苦手だから。」

「最初から、あんまり話さない様にしているだけで・・。」

「別に、紫苑さんのせいとかじゃない。」

「気にしないでくれ。」

(夏樹の言葉に、紫苑はほっとしたものの。
これは、とても放っておけないような気がしていた。)

「それって、辛くない?」

「え?」

『そんなこと、あんまり考えたことなかった。』

「別に、つらくないよ。」

「仕事だし。」

(夏樹が淡泊な反応なので、紫苑はますます、放っておけなくなってきた。)

「むぅ。

良くないと思うの・・。」



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