HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter55 『時の流れ』 55-13
『ましてや、艶が継がなければ。
俺は、本当に。 宗家を潰したも同然だ。』
『何より。』
『月に一度と決めた、俺の訪問は。』
『楓に。
出来れば忘れてしまいたい、あの日のことを
思い出させた。』
「ひどい仕打ちだ。」
「お前や、艶に対して俺がしていることは・・。」
『だが、
それが、俺にとって。
俺が今を生きるために、必要なことだった。』
「俺は・・。
そう強い人間じゃない。」
(晃は、窓辺に止まる。 日の光を鮮やかに受け白い翼が眩しい程の。
小さな白い鳥に。 そっと語りかけた。)
「ただ。
今の、時宗に。 会いたいだけだ。」
***
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』