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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter55 『時の流れ』 55-3


(晃は、開いた窓の外。 羽根を休め、こちらを見つめている。 小さな白い鳥の。
緋色に煌めく瞳を見つめ、話しかけた。)

ピィピピピッ

〈それが困るから・・、こうしてお知らせに参っているのでございます。〉

(小さな白い鳥は、晃を見つめ。 鳥の声から、人の声となり、小さな嘴で語りかけると。
緋色の瞳で瞬いた。)

「時宗か・・。」

(晃は、突然鳥が、話しだしたことにも驚かず。
困った様子でつぶやいた小さな鳥と反対に。 僅かに微笑みながら、
自分を待っている、ドアの外の艶に向かって。 告げた。)

「残念だな。 艶。

楓だ。」

(晃はそう言いながら、ドアへ近づき、開いた。)

ガチャッ

「兄様っ! おはようございますっ。」

(艶は、開かれたドアから、晃の胸に。 正確には、腰のあたりに
きゅっとしがみ付いた。)

「おはよう。」

「兄様、良く眠れたか?」

「艶は、楽しみで眠れなかったのじゃ!」

(晃は、自分の前で、飛び跳ねるほど。 嬉しそうに頬を紅潮させている艶の。



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