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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter55 『時の流れ』 55-6
「知らせは何じゃ・・?」
(艶のきらきらした大きな漆黒の瞳に、白い鳥は、ため息混じりに答えた。)
〈時宗様が、本殿にお見えでございます。〉
「!! ・・っ! きゃ〜っ! 兄上っ!」
(艶は、飛び上がった。)
「兄様っ、早くしたくをっ!」
「今日は、そんな真っ黒の服ではいけませぬっ。」
「艶は、赤の新しい着ものがあるゆえっ。 兄様もっ。
そんな地味なっ、いつも兄上と、お揃いばかりではいけませぬっ。」
「くっくっ。」
(晃は、細い瞳を揺らし、笑った。)
ガチャッ
パタタタッ
(艶は、慌てて部屋を出て行った。)
(白い鳥は、窓際で、その様子を見つめた。)
***
「ほんに・・不憫なことでございます。」
***
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