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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter55 『時の流れ』 55-7
(晃は、白い鳥に、振り返った。)
(白い鳥の、緋色の瞳を通し。 楓は、聖の屋敷の、晃の部屋を見ていた。)
「楓・・。」
(晃は、楓の居る場所を、思い描いた。)
***
(楓は、緑深い山奥に存在する。 誰も入る事の出来ない、
霊山の山頂。 霊や妖怪を相手とする生業を行う。 翡翠宗家の屋敷の中に居た。)
「今もなお。」
「ここへ集まる、彷徨える者たち・・。 鎮める者が必要でございます。」
***
「あいつを慕って来ているんだろう。 だが、
あいつが居れば、同時に。 悪い物は、減って行っていたからな。」
***
(伝統を受け継ぐ、瓦屋根と、年月を重ねた重厚な黒く輝く木目の広大な屋敷が
そこにはあった。)
(幾つも連なる、和の屋敷の。 正面には、重い柱の門があり。
鳳凰を思わせる、翡翠家の家紋が金色に描かれた。 黒い幔幕が張られていた。)
「婆は・・、心配でなりません。」
(目の前に広々と続く池の庭園。 幾重にも重なる襖の向こうに、
楓の居る一部屋はあった。)
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