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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter55 『時の流れ』 55-8
(広大な屋敷の中にある、一室で。 鳳凰の描かれる金屏風を背に、
鳥の声の主。 楓は、ため息をついた。)
「何故・・、艶姫様は。 当主の座を拒まれるか・・。」
(楓の視線の先には、鳥の目を通してみた。 半透明の晃が、立って居た。)
「艶姫様に、継いで頂けましたら。 翡翠の家は安泰でございます。」
(楓は、婆と言いながら、その姿はまるで。 艶を成人させたかの様に若く
美しく見えた。)
(幾重にも重なる着物は、艶やかで。 長く整った髪は、床に美しく流れていた。)
「悪霊共も静まり。 晃様にも、心安らかに当家においで頂けましょう。」
***
「そうも行かないだろ。 入れるのは親族だけだと聞いた。 俺には、可能性の無い事だ。
俺の事は気にしなくて良い。」
〈気にしますとも・・!〉
(白い鳥は、楓の気持ちを映し。 羽根を羽ばたかせた。)
〈翡翠の門は、緑に縁深い晃様とて、霊山に阻まれ。
容易く通ることはかないませぬ。〉
〈晃様・・。 あなた様を。〉
〈山門を、ご無事に通すため。
この日に限り、
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