HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter56 『傍にいる』 56-6


コォォォォォー・・

「・・まぁ良い。 俺は、通してもらうだけで十分だ。」

ガガガガガッ

ギィエエエエーッ

(相手はそう思っていなかった。
奇妙な生き物たちは、久しぶりに訪れた人間に。 我先にありつこうと、
大きな口を開け。 あるいは、長い爪を伸ばし。 奇怪な鳴き声で、
四方から晃に襲い掛かった。)

『!』

「早く通せ。 死にたいのか?」

バサバサバサバサッ

ザザザザザーッ

(緑の葉と枝が、まるで、花開く様にしなやかに伸び。
晃を、魑魅魍魎から守った。)

(出来るだけ、傷つけずに。 妖魔の類や、霊魂を払いのけようと。 晃は、
伸ばした手の先から、生み出した緑の枝で、妖魔の行き先を遮ったが。)

(無数に集まる生き物は、数え切れず。 晃への攻撃を止めなかった。)

ギャギャギャギャッ

(鋭い牙が、晃に襲いかかった時。)

(晃の視線の先に、一瞬。 キラリと。 光るのが見えた。)

キンッ・・



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ