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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter57 『雨音』 57-18


「僕も、少し苦手なんだ、こんな日は・・。」

「嫌なことを思い出すよな?」

『・・夏樹くん・・。』

(夏樹の言葉に、紫苑は何と言っていいか分からなかった。
夏樹を心配させまいと、紫苑が何か答える前に、夏樹が言葉を続けた。)

「明日は、千波ちゃんが荷物を片づけに来るって言ってた。」

「1階の玄関前が、埋まったままだから。」

『明日のことを、考えてみるのも良いかも知れない。』

「それに、また桜さんと一緒に料理がしたいって。」

(紫苑は、夏樹の言葉に微笑み、頷いた。)

『楽しかったことを、考えてみるとか。』

「うん。 美味しかったよね! とっても。」

「けど、あれは作り過ぎだよ。

紫苑さんのお父さん。 夜中帰って来ても、食べきれないだろ?」

「ふふっ、そうかも。 でもパパ、

明日もお仕事だから。 残ったらお弁当にするかもしれないわ。」

「んんっ。

僕も明日たくさん入らなければ、良いけど。 無理だろうな・・。」



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