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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter57 『雨音』 57-20


(顔の前に覆った資料のページの向こうから、その様子を見た夏樹は、
白い指先で、そっと。 ミルクの注がれた皿を、クロの方へ差し出した。)

「飲むか?」

(紺色の瞳が間近に微笑んだ。)

「ニュウ」

(クロは瞬きしながら、静かに小皿に近づき、小さな口でミルクを飲んだ。)

「(飲んでくれたねっ!)」

(紫苑は小声で喜びながら、嬉しそうに夏樹の右手をひっぱった。)

「夏樹くん。

明日、晴れるといいね。」

(紫苑は微笑んだ。)

ザーッ

(窓の向こうで、雨音が響き。 雨はまだ、強く降り続いていた。)







『雨音』
Chapter57 End

Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ



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