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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter57 『雨音』 57-4


「闇と、同じ種類・・?」

(夏樹は、通信機越しに、静乃の言葉に耳を傾けた。)

[「ええ。 だから結界内に入れた可能性はあるわ。」]

[「闇を閉じ込めるためのものだから、一緒に取り込まれたのかもしれない。」]

「静乃さん。 その考えは、僕の隠れファンじゃないかっていう、

聖の意見の。 100倍は、説得力あるよ。」

(静乃は、笑った。)

[「くすくすっ。 まぁ、なあにそれ。」]

(夏樹の頭には、一つの考えが浮かんできていた。)

『闇に力を与えたことを考えてみても。 闇を倒そうとした、僕たちに、

攻撃を加えて来たことを考えてみても。』

「闇の肩を持つ人たちに違いない。」

「その人たちが、闇を動かしているか。」

「あるいは、その人たちが、闇を引き起こしているっていう、

可能性はないかな?」

***

(静乃は、コーヒーカップを机に置き。 真剣な眼差しで見つめる、
モニター越しの。 深い紺色の瞳を見つめ返した。)

「そうね。」



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