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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter57 『雨音』 57-8


「こそこそなんて、してないよ。」

(後ろから覗きこんで、まだ首元に掴まっている、姉を。
少し困った表情で見上げる。)

「紫苑ちゃんがノート持って来てくれてるんだから、

しっかりお勉強なさいv」

「う〜ん・・。

そんなこと言ったって・・。」

(困った様子の夏樹に、静乃が助け船を出した。)

[「くすくすっ。 千波ちゃん?」]

[「ちょうど良かったわ。 さっき、聖くんが帰って来たわよ。」]

「えっ!? ほんとに?v」

「思ったより早かったのねv」

「すぐ行くわv」

「夏樹〜v 菖蒲くんかしてっ。」

(千波は急に、目を輝かせ。
夏樹を残し立ち上がると、2階の廊下を引き返し、左手にある夏樹の部屋に姿を消した。)

***

ガチャッ

「あっ。 千波ちゃん・・。 夏樹くんは・・?」



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