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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter58 『夢』 58-11


「うっ・・!」

(夏樹は両手で顔を覆い、身構えた。 だが、
次の瞬間。 飲み込まれた闇の中で、自分が無事でいると気がついた。)

『・・これも、幻なのか・・?』

「はぁ・・っ。」

(夏樹は、目を開けた。)

(そこには、遠く。 小さな夏樹が立っていて、まだ、巨大な闇が変わらずあったが、
その景色は、先程とは違う場所の様に見えた。)

(瞬きする夏樹の視線の先に、
小さな夏樹に向かって、誰かが駆け寄っていた。)

「・・夏樹・・っ!」

(闇が飲み込む刹那。
茶色い髪の女性が、幼い夏樹を抱きしめた。)

(夏樹は一瞬。 抱きしめる女性の手に、小さな指輪が光ったのを見た。)

***

(夏樹が、その光景を良く見ようと、目を凝らした時。
今度は鋭い電撃の様に、夏樹の胸元に熱い痛みが走った。)

ギンッ・・

「痛っ・・!」

***



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