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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter58 『夢』 58-13


「僕が運ぶからいいのに。」

(落下した布団で、髪の毛やあちこちがくしゃくしゃになりながら、
夏樹は笑った。)

「おはよう夏樹v まだゆっくりしてて平気よ。」

「朝ご飯作ろうと思ったんだけど!」

「わたしのお部屋、足の踏み場がなくてね〜。

夏樹のだけ先に、移動しちゃおうと思ってv」

「良く寝てたからv わたしと紫苑ちゃんでやろうと思ったの。」

(聞いて、もしゃもしゃになったままだらしなく布団の上に座っていた夏樹は
固まった。)

『!』

「あっ! おはよう。 夏樹くん。」

「・・良く眠れた? ぜんぜん起きなかったね?」

(開いた書棚の向こうから、顔を出した紫苑が、夏樹に微笑んだ。)

「・・。 今、目が覚めたよ、すごく。」

「・・千波ちゃん。

ぜったいわざとだろうっ・・!」

「あら、何が?v」

(千波は微笑み、紫苑から、真新しいシーツを受け取った。)



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