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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter58 『夢』 58-3


***

「・・っ。」

(心配になり、小さな自分の顔を覗き込んだ夏樹が、
何か声をかけようとした時。)

(幼い夏樹は、微かな声で、つぶやいた。)

***

「・・みつけないと・・。」

(幼い夏樹は、涙をこぼした。)

***

「おい。 どうした?」

トッ

(慌てて、夏樹は。 幼い自分の前に、膝をついてかがんだ。)

「何を探してる?」

***

「・・ひっく。 うっ・・。」

(小さな夏樹の両目から、大粒の涙が。 紺色の瞳をにじませて、ぽろぽろと
こぼれ落ちてくる。)

「・・みつけないと・・。 かれちゃうんだ・・。」

「みんな・・。 みんな・・。」



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