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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter58 『夢』 58-8
(雪野原が、一面見渡せる。 一番高い、雪の丘に辿り着いた時。)
「・・はぁっ。」
(夏樹は、そこにあったものに、がっかりした。)
「・・何もない。」
『いや、強いて言えば、この・・。 枯れ木だろうか?』
(そこには、少し、小高いだけで。 丘の下に続いているのと、ほとんど変わらない。
ただ白い雪の斜面があるだけで。)
(頂上に一本。 少し形の変わった、白い幹の枯れ木が植わっているだけだった。)
(夏樹が見ていると、二人は、枯れ木の根元に。
そっと腰を下ろした。)
***
【・・ここよ。】
【ここに、眠っているの・・。】
(少女は、優しく微笑んだ。)
(幼い夏樹は、不思議そうな顔で、そんな少女を見つめ返した。)
「どうして?」
(大きな、紺色の瞳は。 まだ、涙に潤んでいた。)
***
トクンッ・・
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