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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter59 『戦闘服』 59-6


(菖蒲は、いつもの燕尾服のまま。 白手袋の手で、千波が示した段ボール箱を
手に取った。)

「だいぶ片付いてきましたね。」

「夏樹様は、あまり持ち物をお持ちでないですが。

なにぶん・・。」

(千波が箱を受け取りながら、続きを言った。)

「片付けが得意じゃないのよv」

「・・はい。」

(四角い黒縁眼鏡の奥の瞳が、苦笑した。)

「こうやってねv 資料を片付けようと思って、運んでるうちに。

気が付いたら、座って。 腰を据えて読んでるの。」

「で、資料の山が。 夏樹と一緒に移動しただけv」

「くすすっ。」

(菖蒲は、良く見る光景に。 思わず笑った。)

「ねv 本部で見たことあるでしょ?」

「ふふっ。 あ〜あ・・、もうこんなに散らかして。」

(大方足元を片付けた後、千波は最後に机の上に無造作に散らばった書類の束を、
丁寧に整えた。)

「んもう、機密書類も気にしないで。 入るのは紫苑ちゃんくらいでしょうけど。



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