HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter59 『戦闘服』 59-8
「正当に、欠片に触れる事が許されているのが、FOTだけですから・・。」
(夏樹を案じ、考えを巡らせている菖蒲に。 千波は一歩近づいた。)
「菖蒲くん・・。」
「はい?」
(千波は、すでにすぐ側にいる菖蒲に。 もっと近づく様に手招きした。)
「何でしょうか?」
「内緒話v」
「え?」
(菖蒲はそっと、千波の方に、近づきながら。 手招きに誘われ、
自分より小さな千波の側へ、
身をかがめた。)
(千波は、かわいらしいスリッパの足でつま先立ちしながら。 背の高い菖蒲の耳元に、
そっと。 手を添えて、囁いた。)
「狙われているのは、夏樹だと思うの。」
(思わぬ千波の言葉に、菖蒲は驚き目を開いた。)
『!』
『千波様・・。』
「あの・・、それは。」
(戸惑う菖蒲に、千波は人差し指を口元にあて、菖蒲を自分の側に寄る様に引き寄せた。)
「それが、能力者の人たちなのか。 わたしにはわからないけれど。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』