HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter60 『ターゲット』 60-10


「そうやってお前は・・、

平気な顔で、あいつを裏切る・・。」

(クロエは、立ち上がったフェルゼンを案じてそっと、寄り添った。)

「フェルゼン・・?」

(フェルゼンの赤い瞳は、血の様に水滴を含み。 煌めいていた。)

「・・誰だって構わない。」

「・・欠片の手立てになるか・・。 だから何だ・・?」

「今すぐ・・消えろよ。 なぁ・・。」

「触れられないだと・・?」

「構うものか・・。 俺の気が・・。」

「晴れるだろうが・・!」

ゴォォォッ・・

(フェルゼンの足元から、巨大に輝く。 青紫の魔法陣が現れた。)

ゴオッ!

(魔法陣は、眩い青紫の光の粒を辺りに弾き飛ばしながら、巻き起こる光で、
フェルゼンの身体を覆い、深紫のマントを舞い上がらせた。)

(同時に湧き起こった黒い煙が、フェルゼンを飲み込み。
ふわりと黒煙が膨れ上がったと思った瞬間。)

シュンッ!



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ