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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter60 『ターゲット』 60-9
(夏樹は白い指先で、今日、幾つか目になる回収したその欠片を、
確かめる様に、光にかざした。)
「・・どうして。
こんな綺麗なものが、闇を生みだすんだろう・・?」
(白い指先の中で、欠片は、眩く光った。)
***
「いい加減、耐えられたもんじゃ・・ねぇなぁ・・。」
(言いながら、フェルゼンは。 虚ろな赤い瞳を、黒い天井から逸らし、
目の前の異空間を写すモニターに向けた。)
「ふざけるなよ・・餓鬼が・・。」
(ゆっくりと立ち上がる。 深紫のマントが、漆黒の玉座を緩やかに滑り、
フェルゼンは、青い爪の手を、玉座から離した。)
「・・あいつの力は・・。」
(赤い瞳は、異空間の向こうへ向けられた。)
「・・こんなものだと思うか・・?」
(フェルゼンの耳には、消えゆく闇の吠え声が、まるで。
悲痛な叫びの様に木霊していた。)
「・・こんなものだと思うな・・。 くっくっくっ。」
「あいつの力を・・踏み躙りやがって・・っ。」
「・・正義面してるんじゃ・・ねぇよ。」
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