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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter60 『ターゲット』 60-12
(千波は、紫苑を瞬きして見送ると。
思い直して、エプロンのポケットから。 可愛らしく装飾した、通信機を取り出した。)
ピルルルッ
「誰か、居るかしら?」
「彼女の勘って、当りそうだから。」
***
「あ〜らら。
行っちゃった。」
「くすくすっ。
知らないわよ〜。 どうなるかしらね?」
(クロエは楽しげに微笑むと、フェルゼンが立ち去った玉座の前に立ち止まった。)
(しなやかに長く美しい手で、クロエは玉座に触れる。)
トッ
(地面に届くほどに長い。 ポニーテールに束ねられた黒髪と、両脇から流れる黒髪が
身体に纏わりつく。 蜘蛛の糸の様に揺れ。)
(長い服のスリットから見える。
長く美しい左足の付け根に。 不思議な黒く丸い、幾何学模様のマークが彫られていた。)
トサッ
(クロエは、フェルゼンの体温が残る、玉座に腰を下ろした。)
「ふふっ。」
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