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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter60 『ターゲット』 60-13


(視線の先で、幾つか流れる異空間の映像に。 そっと長い指先を向ける。)

シュンッ・・

(大きな、漆黒の玉座に頬杖をつき。 クロエは一つの映像を指先で手繰り寄せた。)

(二つの傘を持ち、snow dropの白いアーチをくぐって出て行く紫苑の姿が、
モニターに映し出されていた。)

「言った通りでしょう・・? フェルゼン。」

「欠片の情報に近づけた。」

(艶やかに揺れる、黄色の瞳が。 しなやかに流れる黒髪の奥でニヤリと笑った。)

「使えるでしょう? あの女の子。」

「初めて地上に来た時から、気になっていたの。」

「・・だって、かわいいから。

くすすっ。

ターゲットにしておいて良かったわ。」







『ターゲット』
Chapter60 End

Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ



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