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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter60 『ターゲット』 60-4
「・・勝手に・・止めるんじゃねぇよ・・。」
(玉座に添えた、青い爪の長い手が。 強い怒りに握った艶やかな黒の光沢に、
深い爪後を残した。)
「お前は・・馬鹿か・・?」
(爪と同じ色の青い髪が、乱れて四方に伸び。 血の通わない、
氷の様な頬を覆っている。)
「あいつの力をもっと見たいと・・思わないのか?」
(冷たい言葉は、モニターの向こうの。 深い紺色の瞳に向けられていた。)
(モニターを見つめ、顔を上げた男性の瞳は、血の様に赤く。
苛立ちながらも、その口元は、不敵に微笑んでいた。)
「くっくっくっ・・。
あいつの力に・・。 触れられるのは・・なぁ。」
「この俺だけだ・・。 お前みたいな汚い手で・・。」
「触るんじゃねぇよ。 下衆がっ・・。」
(呪いを込めて、フェルゼンは言い放った。
血走る赤い瞳がカッと見開き、開かれた口元は。 笑みを含んでいた。)
「くすくすくすっ。」
(そんなフェルゼンを宥める様に。 クロエはそっとフェルゼンに寄り添った。)
「まだ、消しちゃだめよ。」
「実体を持たない私たちでは、欠片には触れられない。
気に入らないけど、あの子を追う必要があるわ。」
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