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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter60 『ターゲット』 60-7


辺りに、轟く唸り声を上げた。)

(上空に浮かぶ闇の身体は、ドロドロと溶け、流動しながら。
力を発した夏樹へと、方向を転換した。)

ドロッ・・ドロッ・・

「もう少し、こっちへ。」

(夏樹は、スニーカーの両足で、風に舞い上がる砂塵の中。 地面の感覚を確かめながら、
足元から静かに風を舞い起こした。)

コオッ

「そうだ、もう少し。」

【ガァァァッー!】

(闇は、次の攻撃を夏樹に向けた。)

(円柱の身体から、しなやかに幾つもの筋が伸び出し。
地上の夏樹を目指し、スピードを上げ、伸びてくる。 長く伸びる幾つもの筋は、
空を切り。 力強く撓る鞭の様に、風のバリアを打ち破った。)

バリバリバリッ

「・・!」

(撓る筋は、まるで太い植物の蔓の様に、渦巻きながら。 バリアの下、
夏樹の立って居た辺りの地面を、抉り取った。)

シュゥゥゥッ・・

「そこだな。」

(幾つもの闇の蔓が、地面に突き刺さったが。 夏樹は僅かの位置でかわし、風を纏い、



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