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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter61 『力になるもの』 61-13


(それでも、胸の奥で、何かが。 波打っている。)

ザーッ

「・・はぁっ。」

『何だろう・・。 ドキドキする。』

(雨の中、近づく敵の気配に。 夏樹の胸は、不思議な感覚で、高鳴っていた。)

(すでに次の風が、竜巻の様に高く舞い上がり。 上空の夏樹に届いた。)

ドォォォーンッ

「くっ。」

(夏樹は、風のバリアを創り。 風圧を避けたが、バランスを崩し、急速に下降した。)

ヒュゥゥゥッ

・・ゴワッ

(上空で体勢を立て直そうとした途端。 次の魔法陣が、夏樹のほんの目の前に鮮やかに
焼き付き、描き出された。)

『・・! 近い・・。』

ビュオオオーッ

「あっ・・。」

(聞こえないフェルゼンの声は。
氷の様に冷たく振動した。)

「《闇の力を秘めし鍵》《解き放て》《風の呪縛》」



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