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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter61 『力になるもの』 61-14


ビュルルッ

(風は、うねりながら渦巻き。 縄の様に夏樹を捕えた。)

コォォォォッ

「・・うっ。」

(強い風が、夏樹を捕え。 一瞬のうちに、手足と首を強く締めつけた。)

ヒュオオッ

(だが、未だ敵の姿は見えず、降り頻る雨の向こうに、夏樹は視線を走らせた。)

(風が、雨粒と深い紺色の髪を巻き上げる。)

ヒュゥゥッ

(蒼白な程白い肌に、雨粒が流れ、深い紺色の瞳が。 流れる雨に瞬いた。)

ポッ・・ポッ

(四肢は、動かせなかったが。)

(風の呪縛は、夏樹を捕えていても。 それ以上締める事は出来ない様だ。)

ザーッ

(夏樹は、静かに呼吸し。 冷静に状況を見つめた。)

ピチャンッ

(背後に、その人物は現れた。)

「楽しいか・・?」



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